風水と環境心理学・建築との関連について

1.風水について

中国の古い諺には、一に命、二に運、三に風水と言われることがあるようです。

建築に関わる風水とは、昔では地理の事だったのではないかと思われます。

現在の建築と風水の関係では、地理の事もありますが、環境心理学的なものもあるのではと思われます。

素晴らしい環境下では、素晴らしい心理反応を引き起こす。

素晴らしい環境下では、住む人に創意を喚起させ、その人に多くの事をもたらす可能性があるとの考えです。

また、風水は、安心して暮らす知恵とも考えられます。

無意識のうちにその影響の多くを人間が感受し、それらが積もり積もって、人間の行動様式、思考様式に現れるとの考え方です。

風水の考え方や、避けるべきと思われていることの中で、建築的にもそうだなと思えるものをすこし述べていきたいと思います。

2.風水では、明堂(オープンスペースのこと)を確保することが風水の成功の半分。

風水では、目に見える、目の前の状況が心理に大きく影響する。土地選びが大事との考え方です。

住宅でも、土地だったり、マンションの立っている場所の周囲の環境が大きく影響してきます。

最初が、肝心との考え方は、建築でも大いに感じる部分です。

3.風水では、危険を予想し、危険なところには住まない。

風水では、危険なところには、最初から、住まないとの考え方があります。

河川に対する危険な場所、がけ崩れが起きそうな場所等は最初から避けるとの意味です。

地理的な意味合いが強いと思われます。現代においても、いろいろなことを想定して考える必要がある事項と思われます。

4.風水では、土地においては、その土地の良い部分を使い切っているかどうかが重要。

土地の良い部分を生かすようにせよとの意味です。眺めのいい場所を生かしたり、よくない場所は、見えないように工夫したりして、その土地をうまく使えとの意味がありそうです。

現代の建築にも通じるものがあります。

5.風水では、空気の流通が重要視される。

空気が流れやすい家は、現代の建築でも目指すべき家の姿です。

6.風水では、無意識にプレッシャーや、不快感を受けることを避けるようにする。

風水で言われている部屋の中の避けるべき事例としましては、下記のようなものがあります。

ソファの後ろを人が通る配置は避ける。

ソファの後ろを人が通ると無意識に気になり、不快感が募ることになります。

部屋の扉と扉が向かい合う配置は避ける。

同時に扉を開けた場合、危険でもあり、驚くことにもなります。

建築でも通常避ける配置です。

ベッドの頭の部分の上に圧迫感を覚えるものを置かない。

無意識の中で圧迫感を頭の上に覚えて良くないとのことです。

マンションの梁等の出っ張りも圧迫感を覚えるものになるとのことです。

机の前が壁にならないように配置する。

机の前がすぐ壁になると、圧迫感を覚えて心理的によくないとのことです。

机に座った時に、背面が入り口扉とならないように配置する。

机に座っているときに、後ろ側が扉の場合、ノックされたときなど余計に驚くことがあります。

トイレは、できる限り広く、清潔を保てるようにする。

これも、狭い場所ですと圧迫感を受けて良くない影響があるとのことです。

整理整頓、清潔な環境を保持する。

キレイな環境が心理面にも影響するとのことです。

まとめ

風水とは環境心理学、地理である。

風水と建築とのかかわりをすこし調べてみると、占いや開運とははなれた、危険な場所の判定や、心理面に及ぼす良くない影響や、よい影響を与える知恵や知識であると感じました。

建築計画にもその考え方をとり入れるのは、よいのではと、感じたところです。。