リフォームを大がかりにするか、建て替えにするかで迷われている方は、多く見受けられます。そんな時に、判断の参考になる手がかりについて述べたいと思います。

1.基礎が健全かどうか

基礎がブロックでできているなど、健全でない場合、補強に費用がかなり掛かる場合があります。

基礎をそのままにして内部や外部だけリフォームをした場合、地震があった時に、思わぬ事態になる可能性が出てきます。

状況にもよりますが、家も年数がたち、弱っていることが多く、建て替えをお勧めしたことが多いです。

2.増築されている建物かどうか

増築されている建物の場合、申請もされずに増築されている場合をよく見かけます。

その場合、2階に増築されている場合など、1階部分に増築のための負担が増している状況の建物も多く見かけます。その場合、地震による建物への影響が心配になります。

3.地震に強そうな建物かどうか

基礎と増築の件ともつながりますが、建築当初のプランや構造の問題で地震に弱い建物があります。このような建物を耐震補強せず内装や外装、水廻りのみリフォームした場合、地震時に思わぬ被害に遭う可能性があります。水廻りや内装、外装のリフォームの費用もかなり掛かりますので、注意事項の一つかと思われます。

4.地盤がしっかりしているかどうか

既存の住宅が建っている地盤が通常より弱い場合、地震の時に不利に働きます。

建て替えの場合ですと、地盤が弱い場合、地盤改良などして対応しますので、その点がリフォームとの大きな違いとなります。

5.建物周囲の擁壁に問題はないか

建物の周囲に擁壁がある建物は多いですが、擁壁の高さが高く、現在の規定に合っていない場合や、はらみや割れが見える場合は注意が必要です。

建て替える場合には、擁壁のやり直しが必要な場合もありますが、リフォームですと、直しなさいと言われることはありません。

しかし、いざとゆう時に大雨や地震で擁壁が崩れたりした場合、家にも被害が出たり、擁壁自体も壊れたりした場合、かなりの費用が掛かることになります。

先にリフォームで費用を使っていた場合困る可能性があります。

6.理想の間取りとかけ離れていないか

リフォーム後に希望される間取りが現在と大きく変わる場合、構造にも無理が生じる可能性が高くなります。

理想の間取りの優先順位が高く、家の構造的にも、無理が生じそうな場合は、建て替えをお勧めすることが多いです。

7.リフォームの費用が建て替えと差が少ない場合

リフォーム費用と新築の費用を比べた場合に差が少ないのであれば、建て替えをお勧めします。

現在の住宅は、かなり住宅自体の基本的な性能が上がっていますので、費用面での差が少ないときは、建て替えが良いと思われます。

同じ性能にしようとした場合、リフォームするほうが、新築よりも費用が掛かる場合があります。

8.建て替えると家の面積が小さくなる場合

建て替えると前面の道路中心との距離から、セットバック等で現在よりも狭くなる場合は、生活スタイルにもよりますが、リフォームを検討する事例が多くなってきます。

9.既存の住宅に愛着がある場合

既存の住宅に愛着がある場合は、通常とは違う考え方・判断になるのではと感じます。いろいろなことを比較しながら検討されるのが良いかと思われます。既存の物を新築でも使うことができないか等を考えても良いかもしれません。

まとめ

今回は、大がかりなリフォームと建て替えを比べた場合の注意事項について述べました。

年代の古い建物については、特に注意が必要かと思われます。一度手をかけ始めますと思った以上にリフォーム費用がかさむ場合もございます。その時には、元に戻ることは難しいため、最初が肝心に思えます。

今回の考え方については、通常のメンテナンスや部分リフォーム、設備の交換とは考え方が違うことはご容赦ください。