こんにちは!オンリーネストの須田です。
今回は、先日リフォーム工事をさせていただいたクロス張替え工事の現場についてお話ししたいと思います。

一見シンプルなクロス貼り替えリフォームにも、現場ごとに少しのドラマがあります。今回の現場は、まさに「簡単にはいかない」壁と天井でした。

漆喰調の難敵!剥がれにくい既存クロス


今回の現場でまず私を悩ませたのが、既存のクロスの上に塗られていた、漆喰のような質感の仕上げ材でした。

横浜市で既存のクロスの上に漆喰のようなものが塗られていました。

通常のクロスであれば、既存のクロスの表面層を剥がし、裏紙を残して新しいクロスを貼る「裏打ち残し工法」で対応します。しかし、今回はこの漆喰のような仕上げ材が非常に頑固で、通常の剥がし方では全く剥がれてくれませんでした。

想定外の作業量と時間、地道なはがし作業

通常であれば、壁紙を剥がす際には一部の壁紙をめくって大きく剥がしていくのですが、今回はそれが全く通用しません。

表面が非常に硬く、少し剥がれたと思っても、すぐに部分的にしか剥がれなくなったりして…。まるで薄く塗ったセメントをはがしていくような感覚でした。

横浜市ではがれにくい、漆喰を塗ったような壁紙。


そこで、パテベラといった道具を使い、地道に少しずつはがし取っていくという作業おこないました。
想像以上に体力と時間のかかる作業で、当初予定していた剥がし作業の数倍以上の時間を要してしまいました。

石膏ボードジョイント部分などの亀裂

既存のクロスを剥がし終え、ようやく新しいクロスを貼るための下地が現れました。しかし、ここでまた小さな問題が現れました。

一般的に、壁は石膏ボードが使用されていることが多いのですが、その石膏ボードのジョイント部分などに経年劣化の為か、少し亀裂が見られました。

横浜市のクロス貼り替えの現場で石膏ボードジョイント部分の亀裂がありました。


亀裂部分には、パテ処理の前に、下地を補強するためのファイバーテープを貼り付けることにしました。ファイバーテープを貼ることで、以前よりも壁紙に亀裂が入りにくくなるはずです。

横浜市でクロス貼り替えのリフォーム時に石膏ボードのジョイント部分にファイバーテープを設置しました。

天井のクロスのジョイントが浮いてきていた原因

今回のクロス貼り替えのご依頼の理由のひとつは、天井のクロスのジョイント部分の口が開いてきてはがれてきていることでした。

横浜市のクロス張替えリフォームの現場で既存天井のクロスがはがれてきていました。


既存のクロス下地は、コンクリートの上に左官工事で薄塗り補修してあったのですが、最初のクロスを貼った時のクロスのジョイント部分の下地が、すこしカッターで切られたようになって下地がはがれていました。

クロスをはがしてみると、ジョイント部分の下地がカッターで切られているようでした。

どうもその部分から薄塗りの下地ごとクロスがはがれてきているようでした。


ここからは、予測になりますが、新築時の施工時のクロスのジョイント部分を重ね合わせて切るときに、下地が切れることを防ぐための下敷きテープを使ってなかったのではないかと思われました。

下敷きテープとは

下敷きテープとは、クロスのジョイントを重ねて切るときにそのクロスの下に入れて下地にカッターが入らないようにするためのものです。

クロス用下敷きテープ
ウォールボンド工業参照
ウォールボンド工業参照


この下敷きテープを使わなかったことで、傷の入った下地がはがれやすくなり、薄塗りされた下地とともにクロスがはがれてきたのではないかと思われました。


裏紙のはがれたコンクリート下地への対応

裏紙のはがれたすこし広い面積のコンクリート下地は、新しいクロスの接着が悪くなる可能性があります。

横浜市のクロス貼り替えのリフォーム現場で裏紙がはがれた大きめのコンクリート下地。


触っただけではわからないため、用心のために、クロスののりがつきやすくするための処置をしておくことにしました。

内装下地用シーラーの塗布

内装下地用シーラー


コンクリートに左官が、モルタル材などで補修した下地は、吸水性が高いため、クロスののりがうまく接着しないことがあります。

そのままクロスを施工すると、将来的に剥がれやすくなったりする原因のひとつになる可能性があります。

そのため、内装下地用のシーラーを見えてきたコンクリート下地面に塗る処理をパテ処理の前に行うことにしました。

横浜市で天井クロス貼り替えのリフォーム時のコンクリート下地にシーラー処理を行いました。


乾燥と研磨:地道な作業の下地パテ処理


パテ処理とは、はがした壁紙の段差をなくし、平滑にするための下地処理のことです。

横浜市の天井クロスのリフォーム現場で下地のパテ処理。


パテは、その都度しっかりと乾燥させる必要があります。そして、乾燥したパテの表面をサンドペーパーで丁寧に研磨し、滑らかな状態に仕上げていきます。


この研磨作業も、手作業で行うため、時間と労力が必要です。


手で触りながら、下地の状態を確認して、再度パテが必要な部分にはパテ処理を行います。


この下地処理の工程は、クロスの仕上がったあとの美しさを左右する、非常に重要な作業です。
まさに「縁の下の力持ち」といった作業で、地味ながらも腕の見せ所と言えるでしょう。

最終的な仕上がり:地道な下地処理が報われる瞬間です。

ようやく新しいクロスを貼る段階に入りました。今回は、お客様のご希望で、シンプルながらも温かみのある薄いベージュ系のクロスを選ばれています。

横浜市でクロス張替え工事が完了しました。

下地処理の重要性を再認識

今回の現場を通して、改めて下地処理の重要性を感じました。

一見、壁紙を貼るだけの簡単な作業に見えるかもしれませんが、その下にある下地の状態によって、仕上がりの美しさ、そして耐久性が大きく左右されます。

下地処理と呼ばれる目に見えない部分にこそプロの知識と技術が求められます。

私は、お客様のご要望にお応えするのはもちろんのこと、「見えない部分の品質」にもこだわり、長きにわたって安心して快適に過ごせる空間を提供することを目指しています。

もし、ご自宅のクロスの貼り替えをご検討されている方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度私にご相談ください。

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