珪藻土と漆喰についての説明になります。

1.珪藻土

珪藻土は、藻類の一種である珪藻の殻の化石の堆積層から採取されるもので、七輪の原料にも使われています。

この珪藻土を主原料として、石灰や糊などの固める成分を加えた左官材を同じく珪藻土と呼びます。

漆喰に比べて施工が簡単で、下塗りが不要な製品が多いです。石膏ボード下地はもちろん、クロス張りの上からでも塗れる製品もあります。

珪藻の種類によってさまざまな形があり、それがざっくりとした風合いにつながります。

珪藻の殻には、多くの小穴が開いており、そのため、吸放湿性、断熱性、保湿性に優れ、ダニやカビが発生しにくいなどの特徴があります。また、空気の清浄作用があり、室内のにおいを取ってくれるので、ペットのいる家などにも向いています。

工場で材料を調合した商品が数多く販売されており、成分や仕上がりの塗り厚、価格も様々です。

実際には、少量しか珪藻土を含んでいないとしても、珪藻土と称している商品や、合成樹脂を多く含んだ製品もありますので、採用するときは、その成分を確認したほうがよいです。

珪藻土で、深みや重量感を出したい場合には、4~5mm程度の塗り厚があったほうが良いです。

調湿性などの機能面も期待する場合には、珪藻土の含有率が高いものを選択して、ある程度の厚みを持たせて広範囲に施工すると良いです。天井面にも施工すると効果的です。

難点は、表面がぽろぽろと落ちてくるところです。

2.漆喰

漆喰は、石灰岩を主成分としており、空気中の炭酸ガスと反応して炭酸カルシウムとなって硬化する、空気に触れて固まる左官材料です。

耐水性が高く、室内の壁や天井だけではなく、外壁や塀などにも用いる場合もあります。

漆喰

防火性や調湿性に優れているため、土蔵や押し入れの壁にもよく使われました。

漆喰は、乾燥後の収縮率が高くひびが入りやすいため、これを防ぐために、砂やサスを混ぜたりして、塗り回数を多くする必要があります。

他の仕上げに比べて、時間と手間がかかります。そのため、住宅では、あまり使われなくなりました。

漆喰に似た材料に、生石灰クリームと呼ばれるものがあります。

漆喰に比べて扱いやすく、漆喰の代用として用いられています。

以上となります。

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